オンコロジー
内分泌系の希少疾患向けの成功を礎に、がんの治療分野の進展と患者さんの予後の改善を追求します
内分泌系の希少疾患向けの成功を礎に、がんの治療分野の進展と患者さんの予後の改善を追求します
過去数十年でがん研究が目ざましく進展したことにより、がんの生物学と、深刻ながん疾患に関わるメカニズムについて理解が進み、この知見に基づいて免疫療法や分子標的療法などの新たな治療法が生まれ、がん治療に革新がもたらされました。
TransCon™は、この分野を進展させ、一歩先の、毒性を高めずに有効性を高める治療薬を生み出すことを追求し、現在の治療の限界を解決し、最終的に患者さんの予後の改善につながることを目指します。
当社のTransCon技術(全身徐放性投与と局所(腫瘍内)徐放性投与)は、がん治療を前進させる可能性があります。TransCon技術の目的について、担当研究者が説明します。
オンコロジー分野における当社のビジョンは、患者さんの治療に大きな変化をもたらす革新的な技術で、業界最高レベルの治療法を生み出すことです。
革新的アプローチ
当社のTransCon技術(全身への持続的な放出と腫瘍内への局所的な放出)は、低分子、ペプチド、タンパク質などの様々な薬剤クラスの中から、臨床で検証済みのターゲット(標的)やパスウェイ(経路)に適用可能で、がん免疫サイクルをあらゆる面で標的対象とします。また、複数の技術を組み合わせた新たなアプローチも可能です。
TransConがオンコロジー分野への応用に適しているのは、既知の制限事項を持つ検証済みの創薬ターゲットが数多く存在するためです。臨床で検証済みの創薬ターゲットに当社独自の製品イノベーションのアルゴリズムを適用することで、治療成績を高め、臨床計画を早め、有効性や全身毒性が不十分な現在の臨床転帰を改善できると考えます。
TransCon製品候補により、これまでの治療法では実現が叶わなかった新たな併用療法や多剤併用療法が生み出され、より多くの患者さんの治療の可能性につながります。
TransCon技術は、治療目的に応じ、およそ1日1回から6ヶ月超に1回程度の投与間隔で親薬物を徐放することが可能です。つまり頻繁に投与しなくても治療効果を維持でき、血中薬物濃度の高いピークを避けられます。このアプローチにより、腫瘍治療のレジメン(計画)でしばしば問題となる高い毒域に達することなく、有効な薬物濃度を持続させることに取り組んでいます。
TransCon技術で期待される効果
局所的(腫瘍内)送達
- 全身毒性を最小限に抑え、腫瘍への曝露を最大化するために、腫瘍内で治療薬を放出するTransCon技術を採用
- 独自のハイドロゲルキャリアを用いて、腫瘍部位に薬剤を徐放
- 腫瘍内濃度と全身の免疫反応の活性化により抗腫瘍効果を促進するように設計
- ハイドロゲルキャリアシステムは、革新的な技術として米国FDAのEmerging Technology Program(新興技術プログラム)に認定
全身的送達
- 当社の内分泌系希少疾患分野のパイプラインの基盤
- 血中濃度が毒域に達することなく、効果的な血中濃度で長時間薬物曝露可能な製品候補の設計が可能
- 水溶性キャリアは、薬物を不活性化し、クリアランス遅延を促し、生理的条件下での徐放が可能
オンコロジー・パイプライン
TransCon TLR7/8アゴニストとTransConIL-2β/yの2つの腫瘍学候補が臨床開発にあります。
TransCon TLR7/8アゴニスト
テクノロジー: 局所送達
- Toll様受容体(TLR)7/8アゴニスト(レシキモド)の徐放を目的とした設計
- 全身毒性のリスクを抑えつつ、腫瘍およびリンパ節における自然免疫系の有効な活性化を想定
TransCon IL-2 β/γ
テクノロジー: 全身送達
- IL-2受容体α(IL-2Rα)への結合を最小限に抑え、IL-2受容体β/γ(IL-2Rβ/γ)を選択的に活性化するIL-2バリアントの曝露時間を長くする設計
- 有効な抗腫瘍効果と低毒性の可能性
なお、パイプラインは開発中の未承認薬または未承認適応の開発状況を示しているもので、医薬品の宣伝や広告を目的とするものではありません。
免疫サイクルを促進させる治療法の開発
TransCon TLR7/8 アゴニスト
抗原提示細胞を活性化し、抗原提示を強化することで、細胞傷害性免疫細胞の活性化を促進するよう設計(ステップ2、6)。
TransCon IL-2 β/γ
T細胞、NK細胞の増殖、プライミング、活性化、および腫瘍内への免疫細胞の浸潤を促進するよう設計(ステップ3、5)。
その他のTransCon製品候補
全身および局所(腫瘍内)投与のTransCon製品候補は、免疫サイクルのすべてのステップに影響を与える可能性をもつ
なお、パイプラインは開発中の未承認薬または未承認適応の開発状況を示しているもので、医薬品の宣伝や広告を目的とするものではありません。